原点回帰

愛おしくってごめんね

敬意を表すべきアイドル略して「敬意ドル」

 


前のエントリーで、『アイドルグループにおいて、「敬意ドル」という枠があり、アイドル力に優れている、圧倒的0番感があるといった、いわゆるセンターやエースと呼ばれる存在を、敬意を表すべきアイドル略して敬意ドルと勝手に呼んでいる。』、という話を少しした。

今回は、私が「敬意ドル」と呼んでいるアイドルが現在誰なのか、ということをまとめていきたい。誰のためってそりゃ、自分のために。

 

 

木村拓哉さん(SMAP)
イケメンの代名詞とも言える「キムタク」という通称。「キムタク」はあだ名というより、もはや固有名詞として一人歩きしている。ジャニーズの代表、というだけでなく、未だに日本を代表するイケメンといっても過言ではないだろう。
私は木村拓哉が存在する時間軸に生きていることに感動すると同時に、木村拓哉が存在する世界で生きていることに絶望させられている。木村拓哉というアイドルをリアルタイムで見られる幸運に感謝をし、また木村拓哉が現実に存在してしまう世界で生きなければならない矮小な自分に絶望するのだ。
10代20代の木村拓哉はそれはもう文句なく格好良い。30代になろうとも格好良かった。40代の今もなお、コンサートを見にきた10代の後輩にすら強烈な印象を与える格好良さを持つというのは、畏怖すら感じる。木村拓哉木村拓哉であり続けてくれることへの、畏れに近い喜びを抱かざるを得ない。
SMAPというグループのファンである私としては、木村拓哉中居正広を同級生にした神がいるのならば、喜んで帰依させていただきたいと思っている。
木村拓哉は一分の隙もなく木村拓哉であり、いついかなる時でも圧倒的な輝きを放っているので、この曲の木村拓哉がすごい、ということが選べない。あえてなにか挙げるとするならば、最近は木村さんの『One Chance』(Mr.S収録のソロ曲)が好きだ。木村拓哉木村拓哉であり続け、40代になって歌うこの曲、実に深みがある。木村拓哉木村拓哉たるために、いかほどの努力をしてきたのか。その片鱗が、うっすらと見えるような気がして、ぞっとするほどの感動を覚える。
もっとも、これはSMAPというグループに共通することでもあると思う。平均年齢が40を越えてもなお、底が見えないアイドルグループSMAP、そしてその中央で輝き続ける木村拓哉ああ、この世は美しいのだと、歓びなのか絶望なのかはわからないなにかが、心を震えさせる。


山下智久さん
目の保養とはすなわち、山下智久のことである。
顔の造作が飛び抜けて美しい。あどけない少年だった頃から今まで、絶え間なく美しい。ダンスや歌がどうだこうだという以前に、ただ立っているだけで画になる、天性の美貌。その美しさの前では、称賛の言葉すらも不必要だ。そのままで美しいのだから、余計な装飾などいらない。
ちなみに私が好きな山Pの曲は、『愛、テキサス』。「鈍痛」と「Don't you」を掛けてくるあたりが好みだし、メランコリーな曲調とアンニュイな雰囲気の山Pの歌声が非常にマッチして、なんとも言い難いオリエンタルな空気を生み出している。オリエンタルな雰囲気といいつつ、タイトルは「テキサス」というところに、また絶妙なアンバランスさを勝手に感じて感嘆させられているのだが、なんとなく語呂が良いからと横文字使いすぎて、自分でも何が言いたいのか良くわからなくなってきた。
が、言いたいことはただひとつ。山下智久は絶え間なく美しい。人類の奇跡と称されて当然であろう。人前に立つ仕事を選んで、その容姿を惜しげもなく我々に見せてくださっていることに感謝したい。


亀梨和也さん(KAT-TUN)
亀ちゃんのウインクは、重要無形文化財かなんかに登録した方が良いと思っている。
あのウインクは「キャー!」というより「ほう…(感嘆)」というほうが相応しいのではないだろうか。超一級の芸術品を目の前にしたような心持ち。タイミングの良さといい、さらっとこなしてしまう適度な抜け感といい、この美しき刹那を切り取って永遠のものにしたい反面、永久に瞬間的な美として存在してほしいという、背反する思いを抱かせるウインクである。
彼のアイドルとしての輝きは、天賦の才はもちろんだが、後天的な努力で身に付いた部分の方が大きいのではないか、と見ていて感じる。私はアイドル力は「ポテンシャル+努力」であると考えているのだが、ポテンシャル単体だけを見たとき、他者がどんなに努力を重ねても到底追い付けないほど圧倒的な才能の持ち主というのは、そうそういないと思っている。世の中、正統派が好きな人ばかりではない。それこそ、前項に挙げている、反則的な美しさの持ち主である「人類の奇跡」こと山下智久さんくらいではないか。ただ、もともと高いポテンシャルの持ち主が努力をしてしまうと、どえらいことになるので誰も追い付けないのだ。
話を亀梨さんに戻すと、彼のアイドルとしての輝きは、まさに「もともとあった非常に高い素質」に「相当な努力」がプラスされて、アイドルを享受する側がもろ手を挙げて降参したくなるレベルに至ったのではないだろうか。 勝手な推測でしかないけれども。


☆山田涼介さん(Hey!Say!JUMP)
私はうっかり、山田涼介主演の『金田一少年の事件簿』特別編・連続ドラマともにすべて見てしまっている。特にHey!Say!JUMPに深い興味を抱いたこともないのに、1話も欠かすことなく、すべて見た。なぜなら、そこに山田涼介が主役として存在するからである。
申し訳ないが、ドラマ自体は正直おもしろくなかった。にも関わらず、完走してしまった。なぜならそこに山田涼介が主役として映っているからである。
主役・山田涼介が映っているというだけで、それを見る時間を投資する価値があるのだ。なぜなら主役である山田涼介は美しいからである。
結論が出てしまったが、山田涼介は美しいのだ。ただ見た目が美しいということではない。山田涼介という存在が美しいのだ。特に、「センター」あるいは「主役」というポジションについた時、山田涼介は類い稀な美しさを発揮し、われわれ享受者はその美しさに捩じ伏せられる。圧倒的な美の前にひれ伏したいからこそ、私は山田涼介を見るということに時間を割いてしまったのだろう。

 

藤ヶ谷太輔さん・北山宏光さん(Kis-My-Ft2)

この二人は、アイドル力の発揮の仕方が非常に近いと思っている。

踊りといい、歌といい、目線といい、表情といい、自分の魅力を余すことなく理解した上で、それをここぞという時に意図的に発揮する「魅せ方」を知っている。カメラに抜かれる瞬間に、自身の魅力をスパークさせることができるという、いわば「プロのアイドル」的な能力は、男性アイドルというよりは、女性アイドルに近いかもしれない。

とにかく、魅力というものの最大値を100としたときに、それを120だったり200だったり、より大きく見せられる緩急の付け方が上手いのだ。160キロの豪速球を投げなくとも(投げられなくとも)、チェンジアップを使うことによりストレートの体感速度が上がるという。とはいえ、わざと手を抜いているだとかそういうことではなく、セクシーさを纏わせる「適度な抜け感」の使い方が絶妙だと思うのだ。そういった緩急の付け方、落差の生み出したかが抜群に優れているからこそ、フロントメンバーたりえるのだろうと思う。

彼らが現在に至るまで、どれだけ自分と自分のパフォーマンスを研究・分析し、客観視してきたのだろうかと思うと、目眩がする。少し前の項目で、アイドル力は「ポテンシャル+努力」であると考えている、と述べたと思うのだが、この二人はもともとポテンシャルがあるのかないのかわからなくなるほど、並々ならぬ努力を感じるのだ。ただし、結果的に努力を感じるのであって、いかにも「努力してます」感なんてものは、一切感じさせないところがこれまたプロフェッショナル。「分かっててやってる」感がありながらも、その自己分析が決して間違っていないどころか、ドンピシャ正解であるからこそ、ステージ上でのパフォーマンスが圧倒的に上手いのだろう。そして、ステージ上でのパフォーマンス力がずば抜けて上手いこの二人がいるからこそ、安心してフォトジェニックな玉森さんをセンターに据えることができたのであろう。

 

 

玉森裕太さん(Kis-My-Ft2)

藤北が努力型アイドルであるとすれば、玉森さんは天才型アイドルではないだろうか。パフォーマンスがどうのこうのではなく、存在がすでにアイドル。いついかなる時、ついぼけっとしてしまった時に抜かれたとしても、「可愛い」と思わせてくれる画の力がある。さらに、ぱっと見て、「ああこいつがセンターだな」と分かるビジュアル。玉森さんがセンターであることは、Kis-My-Ft2の大衆化に大きな役割を担っているだろう。

玉森さんはいわば、Kis-My-Ft2というグループに釣り上げるための疑似餌である。玉森さんを入り口にKis-My-Ft2に興味を持ち、グループのファンへと成長させることができる。一般層へのアピールに最適であろう玉森さんを、デビューを機にセンターに据えた、戦略の妙を感じる。また、中央に天才型アイドルを配置し、両脇を努力型プロアイドルで固める、そつのなさ、そしてそのバランスの美しさ。センターに天才型アイドル玉森さんがいることにより、努力型プロアイドル藤北の玉森さんとは違う輝きがより際立ち、藤北がいざセンターに立った時にラスボス感が生まれ、「キスマイってすごい」と思わせてくれるのだ。

また玉森さんの素晴らしいアイドル力は、『キスマイbusaiku!?』にも現れていよう。「親友の結婚式のスピーチ回」で、事前にマナーについて調べて挑むという、番組という仕事への姿勢の素晴らしさは、しっかり準備ができるから推されるのだなあと感じさせられる。ただ、なによりも素晴らしいのが、「時々、とんでもやくやらかしてしまう」点である。「お弁当回」でのキャラ弁や、「プリクラ回」での右往左往っぷり。特に、1位が普段後列・下位にいるメンバーである時にやらかす、というのは天才的なアイドル力ではないだろうか。もちろん、バラエティーとしての面白さが成立する点も素晴らしい。しかし、この「ときどきやらかしてしまう」、つまり基本的には王子様然としているのに、ふとした瞬間にちょっとダメな部分がチラリと見える、ほど良いポンコツ感が、「玉ちゃんから目が離せない」という愛らしさを生み、ビジュアルクオリティの高さにも関わらず、親しみやすさをもたらす。

天性の愛され気質を持った、ビジュアル力のあるセンター、最高か。

 

 

佐藤勝利くん(Sexy Zone)

山Pに続いて、顔の造作が飛び抜けて美しい枠。

勝利くんがジャニーズ事務所に入ってくれたことを心から感謝したい。その美しさを全面に押し出せる職業についてくれてありがとう。

ただ、勝利くんが素晴らしいのは、決してただ流されるままにアイドルなったわけではないというところにもある。様々な媒体での発言を見る限り、勝利くんはアイドルリテラシーの高さも際立っているのがわかる。アイドルとは夢を与える存在でありながら、職業であり仕事である。アイドルという仕事を自ら選び取った、という意志が伝わってくるところが、センターを宿命付けられた美しさと同じくらい評価できよう。

絶対的0番を「与えられた」とも言えるし、「つかみ取った」とも言えるアイドル・佐藤勝利がこれからどのように歩んでいくのか、非常に興味深い。

 

 

重岡大毅くん(ジャニーズWEST)

彼には「アイドルスイッチ」が備わっているのではないか、と常々思っている。ステージに立った瞬間、明らかに自分でコントロールしてとんでもなく大きな輝きを放っていると感じさせられるからだ。

また、『ジパング・おおきに大作戦』のMVを見て、アップで映すリップシンクというものは、こんなにも個人差が大きく現れてしまうものかと感じた。その差についてあまり詳しく言うことは控えるけれども、とにかく重岡くんにはセンターに立っていることを問答無用で肯定させるだけの輝きがあった。前から思ってはいたけれど、まざまざと見せつけられ、敬意を表すべきアイドルであるとまたしても感じさせられた。

それから『な・に・わ・ぶ・誌』が更新されるたび、私は彼のアイドルリテラシーの高さに敬服させられている。どこでなにをしているか、とか、どういうことを考えているか、というのをほとんど明かさないその危機管理能力の高さ、素晴らしすぎやしないか。アイドルが自分で内容を考えて文章化することは、諸刃の剣であると思っている。自分の言葉で発信する、さらにそれが文字化されているというのはそれだけで隙になり得る。「あの時、ああ言っていたのは嘘だったの!?裏切られた!」と言われてしまうリスクを下げる、その隙を見せないクレバーさに感服。どこまで深く考えてそうしているかはわからないが、どちらにせよ評価は変わらない。なぜなら、意図してやることはもちろん素晴らしいが、意図せずにできるということも、また才能であると思うからだ。

 

 

 以上が、現在私が勝手に「敬意ドル」と表しているジャニーズアイドルたちである。

◯年前までだったら◯◯さんを入れていた、とか、私が感動してやまないSexy Zone中島健人くんを入れるべきか、とか色々と人選に苦慮したが、あくまで「現在」ということにこだわってみた。

Sexy Zone中島健人くんに関しては、彼一人でまるまる一つの記事をかける自信があるほどに、日々感動させられており、「敬意ドル」のくくりにぜひ入れさせていただきたいほど高く評価している。しかし、「敬意ドル」の基本は、1グループにただ1人の輝ける「センター」「エース」であるので泣く泣く外してしまった。(Kis-My-Ft2からいわゆるフロントメンバー三人をまとめて選んでいるのは例外とする)

とはいえ、中島健人くんがセンターにふさわしくない、と言っているわけではないし、中島健人くんがセンターを張るSexy Zoneもそれはそれは魅力的だと思う。むしろ見たい。ただ、私には圧倒的0番感を誇る佐藤勝利くんの未知の可能性への多大なる期待があるので、固定センターを望むわけではないが、基本センターであってほしいという願望を込めて、Sexy Zoneからは佐藤勝利くんのみを入れさせていただいた。

 

能力と努力に感嘆させられ、その素晴らしさに敬意を表して投資したいと思わせてくれる、アイドルたちを、これからも見守っていきたい。

ただ私の場合、評価が高いからといってイチオシになることは、基本的にないのだけれども。世の中、正統派好きだけとは限らないのよ。